麻の蚊帳をつっておれば、クーラーなど必要がなかったのです。
一度死滅したかのように思われた蚊帳がよみがえった。 蚊帳は店頭ではめったに売れない。インターネットでは飛ぶように売れる。なるほど蚊帳は英語で言うとモスキート・ネットだ。 ネットであるからインターネットに適した商品で売れたのだろう。と、わけの分かったような、分からないような話をしている。と、 IT活用セミナーなどに呼ばれて、ネットの張り方、ネットの取り扱い方、ネットの中での過し方、ネットの手入れ方法等、インターネットやホームページについての話をするように言われる。 三島 治サンはそのことをそのまま、蚊帳の張り方、蚊帳の取り扱い方、蚊帳のある暮らし、蚊帳の手入れの仕方、蚊帳のたたみ方に置き換えて話すことがよくある。
その時は、ネットの蚊帳の外から、どうぞネットの蚊帳の中へとIT(情報技術)の世界へ人々をお誘いする係としてである。
蚊帳が本格的に作られ始めたのは奈良時代のことで、唐から手法が伝わり、蚊帳の材質は絹や木綿だったようです。これは、「奈良蚊帳」と呼ばれていたそうです。 室町時代に入って、この「奈良蚊帳」の売れ行きに目を付けた、近江国(滋賀県)の八幡の商人が、はじめて麻の糸を織らせて蚊帳の生産を始めたのが「八幡蚊帳」と呼ばれた蚊帳だったようです。 なぜ、近江八幡地方だったかというと、琵琶湖からの湿気が蚊帳を織るのに適していたということです。湿気が十分でないと蚊帳の縦糸が切れやすいと言うことで、この地に蚊帳生産が根付いたようです。 麻素材が蚊帳を蚊帳として、一層、付加価値の高いものにしていったとも言えるでしょう。 1566年(織田信長が桶狭間の戦いに勝った6年後)に、「ふとんの西川」は創業されています。 初代西川仁右衛門が19才で蚊帳・生活用品販売業を開業し、その後、1587年 近江八幡町に本店山形屋を開業したのがはじまりです。 このころの蚊帳は上流階級だけの贅沢品でした。戦国武将のお姫様の輿入れ道具としても、また夏の貴重品として「米にして2〜3石」と言う高価なものでした。庶民は暑苦しい紙の蚊帳(=紙帳)を使っていたようです。 件の西川さんはその後、工夫を凝らし、1620年代=寛永年間、に二代目西川甚五郎が麻生地を萌黄(もえぎ)色に染め、紅布の縁をつけたデザインの『近江蚊帳』を販売し、人気を博したようです。 西川をはじめ八幡では、江戸時代に入ると17軒の蚊帳屋が講(一種の組合)を形成していたそうです。それが現在の日本蚊帳商工組合の源のようです。 同じ近江の長浜でも「浜蚊帳」と呼ばれる蚊帳の生産が始まりました。両方を合わして「近江蚊帳」と呼ばれ非常に有名な産品になったそうです。
蚊帳生産のピークは昭和40年頃までです。奈良市近辺の生産業者は約70社にものぼりました。年間約200万張を製造、全国シェアは80%を誇っておりました。 現在も地場産業と呼ばれており、製造業者は奈良市内にわずかに残ってはいるが、珍しい存在となってしまいました。 世界に眼を向けて蚊帳を見ると紀元前6世紀には中東で蚊帳が使われていていました。その後、エジプトからギリシャ・ローマへと伝わり、クレオパトラも蚊帳を愛用していたようです。
「いわたネット」(事業協同組合)が三島サンのところ(菊屋)の「蚊帳はどうして売れたか?」をテーマに地元の静岡産業大学経営学部と磐田市が共同調査を実施しました。 主な結果の特徴を述べると、次のようになります。(一部)
これはたいへんうれしい結果であった。<三島サンはご満悦>
下水道の整備など環境衛生が発達して、農薬で蚊そのものが減り、アルミサッシを使った密閉空間での冷房が普及したからである。 蚊帳の素材も麻素材から化学繊維に移り変わった頃以降である。ダイオキシンや環境法ホルモンなどが問題になっている。また蚊帳が姿を消す頃から、アトピーという言葉をよく耳にするようになった。 本能的に蚊取り線香の煙や、無臭と言われる殺虫剤のにおいが気になって眠れない人が蚊帳を求めている。彼らはただ敏感なだけであろうか。薬品による殺虫は人にも優しくない。人に優しく地球にやさしい蚊帳を使いたい。 かって、人は風と共にくらしていた。風が運んでくるものをしっかり心で受け止めていた。蚊帳をつっていた頃はクーラーなどなかった。 しかし麻の蚊帳の中の温度は外界より1度以上涼しかった。そして、湿気も少なかった。だからよけいに涼しく感じられた。麻の蚊帳をつっておればクーラーなど必要がなかったのである。 クーラーや、扇風機の風をまともに受けず、蚊帳の麻素材を通すことによって、より自然の風に近いまろやかな風にするという不思議な効用もあります。
人の眠りのメカニズム、体温リズムは眠りにはいると下がっていく。発汗によって体温を下げるのであるが、そこにクーラーが作用すると必要以上に身体を冷やすことになる。 生体リズムを損ねる。自律神経系、ホルモン分泌のリズムを壊すことになる。現代生活においてはクーラー漬けの毎日。身体に良くないってことは、よくよく分かっちゃいる。 たまには窓を開け自然の風に当たりたいものです。しかし、実際は部屋の周りの環境から、なかなかそれが出来ない。とてもクーラーや扇風機がなければ眠れない。 クーラーの風を麻の蚊帳に当ててください。天然素材の麻がクーラーの風をまろやかな風にしてくれます。
本麻の蚊帳の中は外界に比べて、湿度が低くなる。そのため涼しく感じられた。冬の眠りに比べて、夏の夜の眠りは浅い。寝具の起源を見ても寒さを防ぐにあらず、湿気から身を守るために寝具は夏に発生した。 快適寝床内気候において湿度50%をキープするための本麻蚊帳の使用はまさに生活の知恵から生まれたものであろう。 しかし麻の蚊帳が高価だったために江戸時代一般の町民は紙製の蚊帳、紙帳(しちょう)を使っていた。 吸湿性があり、シャリ感がありさらっとしている麻繊維。麻は病原菌を寄せ付けないという、不思議な力を秘めている。まさに魔除け、虫よけで、あなたにやさしい麻の蚊帳といえるでしょう。夏の除湿器はもういらない。
三島さんは、 『寝具店(有)菊屋の社長としてよりも、睡眠環境アドバイザーとしての活動を多くするように心がけている。 と言うと格好が良いが、ふとん店としての社会的ニーズが相対的に低下してきていて、これでは市民権を失い、存在し続けることも不可能になるのではと、あちらこちらへと、眠りについての勉強をさせていただいております。』と話しておられます。 「あなたにやさしい快眠情報」 日本睡眠環境学会での報告資料 (睡眠環境改善 第三の鍵、共生〜共眠) 蚊帳の博物館 また、次のようにもおっしゃっています。 『日本で一番蚊帳を取り扱っているのは私のようですが、世界中へ蚊帳を生産しているのが「サイアムダッチ・モスキートネッティング」社社長・マルセル・ダブルマン氏です。 ダブルマン氏は元国連の職員で、アフリカのマラリア情勢を見かねて自らバンコクに蚊帳の製造メーカー「サイアムダッチ」社を立ち上げました。 蚊帳を所有できずにマラリアで命を落とす子供もたくさんいます。あなたの蚊帳が 子供を救う一杯のスプーン(国際) キャンペーン運動です!』
<三島さんの著書> どうぞ蚊帳の中へ―21世紀によみがえる不思議空間
![]() ![]() 余談ながら、健康食品についての事件や事故が後を絶ちません。以下のサイトが役に立つと思います。不安な時や疑問があるときには、是非どうぞ。
健康食品ナビ (東京都福祉保険局) 記述してある内容につきましては、充分調査してある積りですが、参考になさる場合には、個人の責任でお願いします。万一、損害や被害に遭われても、当方では一切の責任はもてません。 |
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