鉄分は女性に多いトラブルの貧血症に重要なミネラル
私たちのからだに存在する鉄の60〜70%は赤血球中にあります。赤血球は絶えず骨髄などで作られ、古くなったものは分解されています。鉄は体内で再利用されるため、必要量は極めてわずかです。
必要な鉄分が不足することによって起こる鉄欠乏性貧血は、圧倒的に女性に多いトラブルです。成人女性の5〜10%がこの病気に悩まされており、さらに潜在性鉄欠乏状態の貧血予備軍は、成人女性の20〜25%もいると言われています。 鉄分が不足する原因は、「摂取不足」、「必要量の増加」、「排出の増加」の3つです。女性には、以下のような鉄欠乏性貧血になりやすい条件がそろっています。
ちなみに、10mlの出血があると、5mgの鉄分が体内から失われます。それに対して、1日の食事から吸収される鉄分量は、わずか1〜2mg(※)です。通常の月経でも1日10〜30mlの出血がありますから、過多月経や、少量でも不正出血がだらだら続くようなことがあると、たちまち鉄の摂取が排出に追いつかない状態になってしまいます。 (※)
平成14年の国民栄養調査の結果では、女性の1日あたりの鉄の摂取量は7.8mgでした。これは、厚生労働省が定める1日あたりの鉄の摂取目安量(6歳以上)12mgを大きく下回っています。 鉄はヘモクロビンの構成要素であり、すべての細胞に酸素を送るための呼吸に関与しています。また、たんぱく質と共に酸化還元に働いています。ミオグロビン(筋肉組織に酸素を運ぶ筋肉のヘモクロビン)の合成に関与し、たんぱく質の代謝促進やコラーゲン合成に関わっています。 鉄は血液との関係が深く、鉄不足による貧血はよく知られています。成人体内に約3〜4g含まれ赤血球のヘモグロビンや筋肉のミオグロビン、肝臓のフィリチンに含まれます。細胞内で酸化に働くチトロームなどの酵素の成分にもなっています。 食品から摂取された鉄は、小腸から2価の鉄イオンとして吸収され血液中に送り出され利用されます。一日に必要な12mgを摂るためには日頃からの努力が必要で、鉄を含む食品を心掛けて摂るようにしたいものです。
レバーやカキなどの動物性食品に含まれる鉄は摂取量の15〜20%が体内に吸収されますが、海藻や野菜などの植物性食品に含まれる鉄は2〜3%しか吸収されません。 ヘム鉄は血液のヘモグロビン、筋肉のミオグロビンに含まれる鉄ですから、肉類、魚類、などの動物性食品のみに存在します。ヘム鉄でない鉄を非へム鉄といい動物性食品中にも含まれていますが、植物性食品中の鉄はすべて非ヘム鉄です。 ヘム鉄は、条件によっても異なりますが、非ヘム鉄の吸収率よりも数倍高いといわれています。したがって、一般的にいえば、ヘム鉄の多い肉類のほうが、野菜などの鉄よりも、鉄の利用度が高いといえます。 鉄はビタミンCと一緒に摂ると吸収がよくなりますので、植物性食品は鉄の吸収をよくするためにはビタミンCや蛋白質と一緒に摂ることが吸収率アップに繋がります。
鉄製のフライパンで調理したり鉄製の食器を使うと、鉄成分が食品に溶け出して、自分では気づかないうちに鉄分を摂取することができます。南部鉄製の「やかん」はよく知られています。 また、鉄剤を服用しなくても、最近は鉄分を添加した飲料がありますので、手軽に鉄分を補給するものとして利用するのもおすすめです。 注意!
認可のハードルが高いトクホは、効果、安全性ともにハイレベルな健康食品と言えるでしょう。ただし、きちんと一日あたりの目安量を守りましょう。トクホはあくまでも健康を維持するための「食品」であって、病気そのものを治す「薬」ではないこともお忘れなく!
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