インフルエンザ、新型インフルエンザ、鳥インフルエンザ、タミフルの報道を見る-no.2


新型インフルエンザの大流行が心配されている。今のところ、鳥インフルエンザのウイルスには人から人へ感染する能力はないとされるが、専門家の間では、致死率の高いH5N1型ウイルスなどの変異によって、人から人への感染が強く懸念されている。



H5N2型ウイルス 
インフルエンザウイルスの性質は、表面にあるHとNの2種類の蛋白質の組み合わせで決まる。海外で人間の感染や死亡が報告されているH5N1型は毒性が強いが、茨城県などで流行したH5N2型は毒性が弱い。国内では、N に関係なくH5型やH7型のウイルスを「高病原性」として取り扱っており、殺処分などの措置を定ている。

インフルエンザ、新型インフルエンザ、鳥インフルエンザ、タミフルに関連する報道を見ておこう。


インフルエンザ:アマンタジン耐性ウイルス、日本で急増の兆し


【ワシントン共同】抗ウイルス薬アマンタジンが効きにくい耐性のA香港型インフルエンザウイルス(H3N2型)が、日本国内で急増の兆しがあることが、鈴木宏新潟大教授(公衆衛生学)の調査で分かった。

米テキサス州ガルベストンで25日まで開かれた日米医学協力計画専門家会合で、同教授が明らかにした。

耐性ができるのは薬剤の使いすぎが一因とされるが、日米ともアマンタジンは治療の主流ではなく拡大の原因は不明。国立感染症研究所(東京)も調査を検討している。

鈴木教授らが昨年9〜12月に長崎県の患者8人から分離されたH3N2型ウイルスを調べたところ、すべてアマンタジン耐性だった。数は少ないが「通常では考えられない高発生率。他県にも広がっている可能性が高い」と同教授は話す。
毎日新聞 2006年1月27日

インフルエンザウイルス:8種1組遺伝子の動き解明


インフルエンザウイルスが増殖する際、八つに分かれた自分自身の遺伝子を一つにまとめる様子を、東京大医科学研究所のグループが電子顕微鏡で解明した。

26日付の英科学誌「ネイチャー」に掲載された。将来的には、新薬の開発にもつながるとみられる。

インフルエンザウイルスの遺伝子は、ウイルスの殻の中で8本のRNA(リボ核酸)に分かれている。人間や動物の細胞に感染したウイルスは、殻を脱いでバラバラになり、8本それぞれのコピーを多数、細胞に作らせる。

その後再び殻を持つウイルスとなる。しかし細胞外に出る際に、RNAが常に8種類1組で集まるのか、たまたま8種類の組ができた場合だけ新たなウイルスになるのかは分からず、論争が続いていた。

医科研感染症国際研究センターの野田岳志特任助手と河岡義裕教授らは、細胞を内部から押し上げて外に出て行きかけているウイルス(直径約1万分の15ミリ)を輪切りにし、断面の写真撮影に成功した。

断面には八つの点が見え、一つが中心にあり七つが周囲を取り巻いていた。別方向から切って観察すると、ウイルス内部には、長さ1万分の3〜12ミリでそれぞれ長さが異なる微細な「ひも」8本が、束状に詰まっていることが分かった。

野田助手らは1000個以上のウイルスを観察し他の実験結果も加えて、「ひも」はRNAで、常に8種類1組で集まっていると結論付けた。

河岡教授は「ウイルスの増殖には、RNAが8種1組で集まるのが欠かせないとみられる。集めさせない方法を考え出せば、新薬開発につながる」と話している。【高木昭午】
毎日新聞 2006年1月26日

鳥インフルエンザ:中国・四川省で7人目の死者


中国衛生省は25日、四川省成都市で高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)に感染した女性(29)が死亡したことを明らかにした。新華社が同日報じた。中国での鳥インフルエンザによる死者は7人目。(北京・共同)
毎日新聞 2006年1月25日 21時26分

鳥インフルエンザ:ペット鳥の輸入禁止、EUが再延長


欧州連合(EU)の欧州委員会は24日、昨年10月末から実施しているEU域外からの野鳥やペット用の鳥の輸入禁止措置を今年5月末まで延長することを決めた。

延長は昨年11月に続き2度目。トルコや中国などで鳥インフルエンザの感染者がなお発生していることや、野鳥の春の移動が始まるため。

英国で昨年10月、検疫中だった南米からのオウムが毒性の強いH5N1型ウイルスに感染し死んだことが判明、EUは食用を除く生きた鳥の域外からの輸入を禁止する措置を取った。(ブリュッセル共同)
毎日新聞 2006年1月25日 2時43分

鳥インフルエンザ:中国で10人目の感染確認


中国衛生省は23日、中国四川省成都市で、女性(29)が高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)に感染したと発表した。中国での人への感染確認は10人目。(共同)
毎日新聞 2006年1月24日

鳥インフルエンザ:「おとり」陰性でも支援 国と茨城県


農林水産省と茨城県は、過去の鳥インフルエンザウイルス感染を示す抗体が確認され、その後の感染を監視する「おとり鶏」の検査では陰性となった養鶏場に対し、鶏の処理を支援するため「食の安全・安心交付金」を支給する方針を決めた。

支給額は総額7億〜8億円程度で、国と県が折半して負担する。おとり鶏が陰性となった養鶏場への支援金支給は初めて。

同県では今月16日、美野里(みのり)町の養鶏場でおとり鶏の陰性が確認され、感染歴のある鶏約59万羽が初めて出荷される見通しとなった。

県は当初、食肉や他の家畜の飼料にする処理業者への出荷を考えたが、業者は「抗体が確認された鶏は受け入れられない」と難色を示した。

県によると、仮に検査で陽性が確認されれば、その養鶏場の鶏すべてが殺処分になるが、処理費用は国と県が負担し、さらに国から1羽あたり最高640円の手当金が支払われる。

ところが、陰性の場合は処理費用が養鶏場側の負担になるため、養鶏業者の中からは「食鳥処理業者が購入してくれない現状では費用が大きく、対処できない」との声が上がっていた。

このため県は国とともに養鶏業者に支援金を支給、県内外の業者に依頼して肉骨粉化し、肥料用にしたり焼却処分する方針を決めた。県は「早期に処理し、養鶏業の再開を促したい」と話している。【藤田裕伸】
毎日新聞 2006年1月21日

インフルエンザウイルス:突起の立体構造予測しDB化


理化学研究所は、インフルエンザウイルスの増殖に欠かせない表面のたんぱく質の突起(ノイラミニダーゼ)1603種類分の立体構造を予測しデータベース化した。ホームページで20日から公開を始めた。

立体構造が判明したノイラミニダーゼはこれまで、約70種類にとどまっていた。データを利用すれば、ノイラミニダーゼの働きを阻害する「タミフル」のような治療薬の開発につながる。新型インフルエンザが出現した際の新薬開発にも役立つという。

同研究所は、たんぱく質を構成するアミノ酸の配列を集めた米国のデータベースから、ノイラミニダーゼに関するデータを抽出した。研究所で開発した、アミノ酸の配列からたんぱく質の立体構造を予測するコンピューターソフトにデータを入力し、すべての立体構造を描き出した。

ノイラミニダーゼは大きく分けてN1〜N9まで9タイプある。アミノ酸配列のわずかな違いから、さらに種類が細かく分かれる。1603種類にはN1〜N9までのノイラミニダーゼが含まれ、このうち人に感染するとされるN1型、N2型が約8割を占めた。

新型インフルエンザ対策としてタミフルの備蓄が進められている。さまざまなノイラミニダーゼの働きを阻害すると期待されているためだが、ウイルスの突然変異によって、タミフルが作用しないノイラミニダーゼを持つウイルスが流行する可能性もある。このため、幅広くノイラミニダーゼに対応する別の治療薬が求められている。

同研究所が開発したソフトは、アミノ酸配列が分かれば約90分でノイラミニダーゼの立体構造を予測でき、新型インフルエンザに対応する治療薬開発のスピードアップが図れるという。【永山悦子】
毎日新聞 2006年1月20日 19時52分

鳥インフルエンザ:中国での死者6人に


【北京・飯田和郎】中国衛生省は18日、鳥インフルエンザ(H5N1型)に感染した四川省筒陽市の女性(35)が11日に死亡したと発表した。中国での死者は6人となった。女性は家禽(きん)類を扱う仕事に従事し、3日に発病していた。
毎日新聞 2006年1月18日 23時06分

新型インフルエンザ:兵庫除く46都道府県、タミフル備蓄で行動計画−−厚労省発表



新型インフルエンザ対策として、国が都道府県に治療薬「タミフル」1050万人分の備蓄を求めている問題で、厚生労働省は17日、兵庫県を除く46都道府県が'07年度までに人口比相当分の備蓄を計画している、と発表した。

行動計画は42都道府県が策定済みで、対策本部も43都道府県が設置しているという。
毎日新聞 2006年1月18日


記述してある内容につきましては、充分調査してある積りですが、参考になさる場合には、個人の責任でお願いします。万一、損害や被害に遭われても、当方では一切の責任はもてません。


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